健康食品としての様々な有効性
スッポンが地球上に出現したのは、今から二億年もの昔で、しかもそれ以来、全く姿、形を変えずに現在に至っている。
このことからしてもまさに驚くべき生命力を持った動物である。
すなわち、生命力が強いということは、その体の中に貴重な栄養素となる各種の成分を含んでいることを意味するものであり、それ故に、スッポンは古来、漢方薬として、朝鮮人参と並んで珍重されてきた。
さらに、中国最古の医物書である「神農本草経」では、ニンニクやニンジン、ねぎ、海草、梅干、茶などと共にスッポンの効能に関し記述されている。
このような記述は、永い食生活の体験から生み出されたもので、食物と薬の区別なく、体にいかに良い影響を与えるかを教えてくれる。
スッポンの持つ主な効能
益 気 → 気力を盛んにする 去血熱 → 血液中の余分な熱を取り去る。 傷寒中風→ 風邪による様々な急性疾患に効く。 補 陰 → 肝臓、腎臓の機能障害あるいは疾患に有効。 血 か → 婦人の内生殖器に生じる腫瘍、血の道症からくる腰痛、 月経不順、不妊症に有効。 虚 労 → 現代人ならば、疲労、ストレス、心身症に有効 骨 蒸 → 肺結核に伴う寝汗のように、体内の奥から、あたかも 骨が蒸されるようにじわじわ発する熱に有効。 ちょうか→ 腹部の移動性・非移動性腫瘍、あるいは腹内の硬結で 脹れたり、痛んだり、疼いたりする症状に有効。 腸 廱 → 虫垂炎など腹内の化膿性疾患に有効。 痞 → 体の機能低下、また、気分がふさがったり、つかえた 状態、例えば、みぞおちがつかえるという自覚症状に 有効。 げん癖 → うなじから背中にかけての強ばりに有効。 腎 積 → ヒステリーや神経症などの発作を静めるのに有効。 その他 → 久痢(慢性下痢)、下血、脱肛、痔、難産、腰痛などに 有効との記載もみられる。
人体の成長要素の大部分はリジンに依存し、血液はリジンで養われ、抗体が形成される。
リジンが不足すると視力障害、筋肉のけいれんや疲労を招く。
スッポンが血の道の薬とか、血液の浄化作用があるといわれるのも、このためである。
アルギニンは精子の頭部の主成分であり、これがスッポンのたんぱく質中に比較的多く含まれていることから、強精食品としての評価が高く、これが欠乏すると性障害、不妊症になるといわれている。また老廃物を無毒化し、代謝を促す大切な作用もある。
ヒスチジンは脳や神経に刺激を与え、活性化させ、プロスタグランジンは血小板の凝集を抑制して血液を下げ、血栓を防止する。したがって、動脈瘤や動脈破裂等の予防につながるといわれている。
リノール酸は血液中の悪玉コレステロールの値を下げる効果があることから、スッポンは、「血液の浄化作用」があると古くから言い伝えられてきた。
スッポンにはビタミン類も豊富に含まれている。
抗酸化作用によって、細胞膜の透過機能を正常に保ち、細胞の老化を防止し、ひいては若さが保たれるということから、体のサビを取る働きがある。
体内の鉄は一日に0.7mg位ずつ体外に排出されており、病気や出血、妊娠出産、授乳期には、鉄分の欠乏になりやすい。
貧血は、赤血球が不足して起こるものではなく、これに含まれるヘモグロビンの量が減って起こるものである。
したがって、貧血に伴う動悸、息切れ、めまい、疲れやすい、顔色が悪い等の症状が見られた時に、スッポンは有効な食品といえる。
(参考文献:スッポン健康・美容法、スッポン健康法・一億総グルメ時代からの期待)